ずうっと南下して春のお山に行った 白い小さい花だけがあちこちちらほら咲いてた キクザキイチゲだって あと紫のスミレ小さいのひとつ見つけた 緑の葉に赤い実はヤブコウジ 緑の髪をかきあげると ラピスラズリのように群青に光る玉 これは玉龍というそうな…
水色のそらにふんわり白い雲 山の木々はまだしらしらした骨ばかりほやんほやん 風がやたら冷たいけど おひさまがいっぱいでちょうどいいかも たたたたたらぁ たたたたらぁと向こうから 何かと思ったらキツツキだった 山懐のお茶を濁らせたような湖からぎゃあぎゃあ言ってくるのは鴨 つぶ貝並べたみたいに浮かんで揺られてる ここにも 何年も来られなくなるところだった 春が来たのだ